地元のアーキテクト

今住んでいるIslingtonをベースにしているアーキテクトに会った。以前からの知り合いであるが、会うのは1年ぶりである。ビザがなくなったから帰らなければいけなかったと知ってはいたのだろうが、会うと「なぜみんなのことを置き去りにして突然消えてしまったんだい?」と笑いながら話しかけてくれる。

 

以前は小さな設計事務所のボスだったのだけれど、今は大学の学部の面倒を見る立場になって1年経つ。彼は建築家であるが、大学からはプロダクトデザインの学科を任されており、新しく改革が必用だと思われたこの学科からその進め役を任されているというわけである。革新的な学部へと変貌を遂げるためには古くからいる人々を新しく人事異動する必用があったことが一番ハードワークであったと言っていたが、以前はおっとりした様の目がそんなハードワークをこなした一年の後には、笑顔の向こうに厳しい表情を持った、一枚皮のめくれた人格を伴っているように見えた。