仕事の仕方

ロンドンで2年程前にビジネスを始めた友人がいる。彼はトルコ出身で、土木を勉強したけれど、どうやら人を動かしたりしてマネジメントしているのが似合っているようだ。彼のビジネスは、建物のオーナーから依頼を受けて採寸に行き、図面を作成してプランニングアプリケーション(確認申請)を提出するところまでである。以前設計事務所で働いていたこともあるので、そこのボスと提携もしているようだけれど、自分でもアーキテクトを雇って仕事をしている。

 

そこで、わたしもどうやらそれに参加させてもらえることになりそうである。図面を描く仕事と思えば面白みはないが、何しろロンドン中の古い建物を探索できる上、採寸することでいろいろな知識を得ることができそうである。そして、オーナーが望めばその先の建築的処理をもっと面白いものとして計画する提案をすることもできそうである。

 

友人はこのビジネスを始めるとき、普通のオフィスでも働いていた。これはお金を稼ぐための仕事であって、建築とは関係ないし気に入ってもなかった。しかし2年でこちらのビジネスで安定した収入が入ってくるようになったため、今はそのオフィスでは働いていないという。前は名前のないエアコンのない車に乗っていたのだけれど、今は古いアウディでやってきた。まだエアコンはなさそうだけれど、少し広くなった。

 

こちらにいると、みんな口を揃えて「好きな事を仕事にするのが一番だ」という。それを実際に実行してそして満足そうな顔をしている友人を見れてとても晴れやかな気分だ。